免疫力アップのための中国養生法的ヒント

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今年も日本人研究者がノーベル医学生理学賞を受賞しましたね。京都大学特別教授の本庶佑先生です。

本庶先生の研究はがんの免疫療法を確立するために貢献大だったそうですが、そのせいかテレビや雑誌などで免疫力アップの話題がさらに増えているような気がします。

そこで、このブログでも役立つ情報を少々。

免疫力は、中医学でいう五臓のひとつ、「腎」が大いに関係しています。なぜなら、腎が蔵する「腎精」は「先天の精」とも言われ、両親から受け継いで生殖や発育をつかさどり、「元気」の源となるからです。いわば生命力そのものですね。

そして、腎精は日々摂り入れる飲食物のエッセンスから成る「後天の精」で補充され、新たなエネルギー源となっていきます。この働きが充実していなければ、抵抗力、免疫力も強まらないというのが中医学の考え方です。

手前味噌ですが、私がお教えしている「宮廷21式呼吸法」には免疫力アップにピッタリ、その名も「補腎強身」という動作があります。片足を上げたり、かかとから足を下ろしたりという動作が腎臓や腎経を刺激します。この気功動作については、私の著書やこのホープページの「宮廷21式呼吸法ガイド」にくわしい説明がありますのでご参照ください。

次は免疫力アップに直結する植物をひとつご紹介します。日本人の歴史に深く関わってきたにもかかわらず、最近は一般の人にあまりなじみがなくなってしまったような感があります。

日本では長い間、絹の生産が重要産業でしたし、一時期は代表的な輸出品にもなっていました。生糸を生み出す「お蚕(かいこ)さま」に欠かせないものと言えば? そう、桑ですね。
桑はむだにするところがない上薬です。

「桑白皮」と言われる根皮は、肺熱による咳嗽を抑え、利水作用があります。
「桑枝」は運動障害、関節痛、浮腫などの治療に用います。
集合果である「桑椹(そうじん)」は、めまい、不眠、かすみ目、耳鳴りなどに有用です。果実酒の材料にもなります。

使いやすい「桑葉」は、桑茶として飲んだり天ぷらにして食したりすることができ、発熱、せき、頭痛、めまい等を改善(代表的な漢方薬は菊花などとともに用いる「桑菊飲」)するだけでなく、実とともにダイエットにも役立ちます。

各部位の有効性だけでなく、近年では桑全体の抗酸化、抗老化、降血糖の働きも知られるようになりました。
そして、この上薬にさらに期待されているのが、発がんを防ぐ、がんの転移を抑えるという働きです。
中国では、桑は「生血薬」の別名があり、現代医学の観点からも血液、リンパの循環を良くして免疫機能を上げる薬材として重宝されています。

日本人の生活に根付いていた植物ですから、桑についてずいぶん長く研究しておられる日本人研究者もいるのですが、私としてはごく一般の方に再度注目してもらいたい有用植物のひとつですね。

〔写真は桑の苗木〕

楊秀峰

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