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気功でもマインドフルネス(2016.7投稿)

 先日テレビをつけたら、心身にしばしば大きな悪影響を及ぼすストレスについての番組をやっていました。有効な対処法として紹介されていたのが、その名前をずいぶん耳にすることが多くなった「マインドフルネス」です。

 アメリカのグーグルやインテルといった先進企業、また、ビジネスの世界だけでなく政治やスポーツの分野でも、リーダーたちが採り入れているようですね。

 こういった方々はおそらく、ストレスの軽減だけでなく、本質を見極めて適切な決定をするため、ご自分の専門分野をさらに高所からとらえ直すための手がかりとしても採用しているのではないでしょうか。

 「マインドフルネス」について私はくわしく知りませんでしたから番組を見ているうちに、ああ、気功と同じじゃない、と思いました。

 先入見や予断に惑わされることなく、「いま、ここ」に集中して自分の心身の状態を認識する方法の体系、そのような状態が「マインドフルネス」(ぴったりの言葉ですね)だそうで、それが疼痛の軽減や、うつ病、摂食障害などを改善する効果があると認められているそうですね。

 気功でも、「マインドフルネス」の状態が(気功状態や入静と呼ばれる状態)最も免疫力が高まり、頭脳もクリアになるとされます。

 「マインドフルネス」は、仏教やヨガの瞑想等々の行法をベースに、宗教的な要素を除いて体系づけられたものとのことですが、気功も、道教や仏教等の行法のエッセンスを再構成して新たな総称(つまり「気功」)を冠したものです。

 名称や形式にとらわれることなく、伝統的なものの精髄が新しい装いで生き続けるということはすばらしいことだと思います。

 日本でも、座禅や滝行、お遍路(もちろん観光ではない本来のものですよ)など、「マインドフルネス」状態に到る立派な行法が脈々と受け継がれていますね。

 重要なことは、「マインドフルネス」状態を体験したいために、訓練法としての「マインドフルネス」を流行に乗ってやってみるだけではダメということ。

 国や民族を問わず、心身がある高みに達するための訓練法があるのですから、ご自分がとても興味を持ったもの、すぐれた指導者がいるなど条件が備わった技法を、着実に続けてみてください。

 もちろん気功を選んでくだされば、私はうれしいですけれど。

楊秀峰