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コロナ禍と中医学(2)(2021年10月)

コロナ禍は、ウイルス感染によって多くの人の身体を害し、命を奪っただけでなく、さらに生活・行動の変化を余儀なくさせることによって心身に大きな影響を与えることにもなりました。

テレワークの普及による「巣ごもり」生活は、運動不足や飲酒量・喫煙量の増加、間食を含む過食、生活習慣病の悪化等々をもたらしましたし、行動自粛によっていろいろな気分転換も制限されてしまいましたから、鬱々とした日々を送るうちに不安やストレスをため込んだ方もとても多いですね。

前回は、新型ウイルスによる疾患の治療に中薬がだいじな役割を果たしていることを書きました。一般の方には少々とっつきにくかったでしょうか。

今回は、もっと身近な「食」を通じて身体の回復を図るのに役立つ内容です。

中医学は一言で言えば「気血水がうまく流れる身体」を維持しようという医学です。とくに血流の停滞は生命の危機に直結するようなこともよくあります。前述した運動不足や飲酒・喫煙の増加はまさにそれにつながります。血栓などができて脳血管、心臓血管疾患につながることは何としても避けたいですね。

ついでに言えば、一部のコロナウイルスワクチンでまれに血栓症が起こることが報告されているようですが、感染したほうが血栓症のリスクははるかに高まるでしょう。いずれにしても、感染者が急減したこの時期に調整しておきたいものです。

さて、まず挙げたい食材は、薬膳(食事療法)で非常に重宝する黒きくらげです。

血液の粘稠度を下げて血液も浄化し、動脈のアテローム(粥状)効果を防いで、薬膳の分野では肺炎や脳・心臓血管症の方に用います。カルシウムやその吸収を助けるビタミンD、血液が酸素を運ぶのに欠かせない鉄分、免疫活性を高めて便秘も改善する食物繊維、血小板凝集を妨げる成分も豊富に含むすぐれた食材です。

血流を良くして血栓を予防するのには緑黄色野菜も欠かせませんが、そのうちのブロッコリーと黒きくらげを使った料理の例の写真を添えました。

体内でほとんど作れない必須脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含む青魚や、天然の多糖類であるアルギン酸を含む(ぬめりの成分です)昆布やわかめも動脈硬化を防ぐのに有用です。食のバリエーションを増すことにもつながりますから摂ってくださいね。

次に挙げるのは、仮に「ゴジベリーラテ」とでも名付けたいスムージーです。

使う材料は、クコの実(英語でゴジベリーと呼ばれます)10グラム、水で戻してやわらかくした白きくらげ30グラム、牛乳400cc、氷砂糖少々(あらかじめ砕いておきます)。

クコの実、白きくらげ、氷砂糖をまずミキサーにかけ、さらに牛乳を加えて再度攪拌します。

わたしの教室に来ていらっしゃる方がご自分で作って撮影した写真を添えますが、色もきれいでしょう。

クコの実の有用性はあまりに多く一回のブログでは書き切れませんので、わたしの本をお読んだりネットで調べたりなさってください。

白きくらげの中医学における作用のひとつは滋陰潤肺、すなわち呼吸器系の機能改善であり、生命力の根源である腎を補って体の抵抗力、免疫力も高めます。

最後に、最近相談されることが多い逆流性食道炎にも触れておきます。コロナ禍による生活の変化で太ったり、便秘になったり、酒煙草の量が増えたり、さらに加齢も原因になります。

対策としてわたしがお話するのは、①少食多餐(食事の回数を増やし、一回あたりの摂取量を減らす)②甘いもの、炒めものを控える③玉ねぎ、鶏肉、山薬(ヤマイモ)を摂る④半臥位(上体をやや起こした姿勢で寝る)⑤胃腸をととのえるのに役立つ苦茶油(ティーオイル)を使う、などでしょうか。

次回は、「巣ごもり」による運動不足で足などがむくむ、パソコンの多用で目が疲れるといった相談も多いものですから、そういった問題の対処法をお教えしたいと思います。

2021年10月
楊秀峰