楊秀峰宮廷気功養生院代表
楊 秀峰
長寿と健康――古来、これを望まなかった人はいないでしょう。そのために、人間は医学の著しい発達を実現させました。次々に行われる新薬や医療機器の開発のみならず、臓器移植、さらには遺伝子治療まで……人間はついに「神の手」を持ったのでしょうか。
しかし、世界屈指の長寿国、日本においても、人生において充実した「円熟の時」を送っている方はきわめて少ないように思われます。仕事や家庭からのストレスに打ちのめされ、不幸にして心身のバランスを崩して専門家による治療を受けることになればなったで、副作用や高額の医療費など、しばしば身体的、経済的な圧力を受け、安寧の日々はなかなか訪れません。
このような時代にこそ、古人の知恵の結晶である気功、薬膳、推拿などの養生法がより生きると、私はますます痛感するようになりました。毎日の養生こそが、病を遠ざけ、前向きに生きる心身を支える力となるのではないでしょうか。
私が来日して気功教室を開設してからすでに十数年が経ちましたが、その間、祖母や多くの師から教えられた養生法をご指導することによって、少なからぬ方々のお役に立つことができました。医師も悲観視せざるをえなかった病から生還した方、病院の治療と気功や薬膳をうまく組み合わせて見事に病気を抑え込んだ方、結婚から十数年してついに可愛い赤ちゃんを授かった方等々……これらの方々の喜びは、また、私の喜びでもありました。
私が第二の故郷とも考える日本の皆様が充実した人生を送られるよう、ますます力を尽くしていきたいと思います。
〔楊秀峰(よう・しゅうほう、Yang Xiufeng)略歴〕中国・北京市出身。幼少時より、清朝の宮廷に伝えられた宮廷二十一式呼吸健康法を祖母から一子相伝で継承する。長じて各派の功法を習得。北京中医学院(現・北京中医薬大学)で中医学を修め、北京市内の病院に勤務の後、1988年に来日、気功の指導を始める。また、NHK教育テレビ「気功専科」で宮廷二十一式の実技指導を行い、好評を博す。94年、東京・日暮里に楊秀峰気功教室を開設。2006年、気功教室を四谷に移転し、楊秀峰宮廷気功養生院と改称。帯津三敬病院、読売・日本テレビ文化センター他でも指導。
楊秀峰宮廷気功養生院講師
王 汀
子供の頃から、母・楊秀峰が気功の練習をするたびに、後について真似をしたものでした。「習う」という意識はとくになかったのですが、今になってみると、中国伝統の健康法を自然に身につける環境にあったことを感謝しています。
私は日本の大学を卒業しましたが、母同様、しだいに日本の文化や風習に魅せられ、ここを第二の故郷と思うようになりました。そして、勉強する私を見守って下さる日本の多くの方々に何らかの恩返しができればと考えるようになりました。
周りを見回すと、年配の方ばかりでなく私と同じぐらいの若い人たちの中にも、心身ともに疲れ、中には生きる意欲をすでに失っているような人もいます。
祖母から母、そして母から私へと伝えられた秘伝の宮廷気功によって、若い人々も心身を癒し、そして中身の詰まった充実した日々を送るための活力を、ぜひ手に入れていただきたいと思います。
〔王汀(おう・てい、Wang Ting)略歴〕中国・北京市出身。立教大卒。子供の頃から、家伝の宮廷気功を中心とする気功の厳格な訓練を母から受ける。中国気功界の重鎮・張天弋氏を始めとする名師に、気功、拳法、各種武器を学ぶ。1999年に来日。テレビ、ビデオ、雑誌等で宮廷気功やダイエット気功を紹介。モデル、通訳としても活動中。