宮廷21式呼吸健康法
生活習慣病・慢性病に効く 中国・清朝の秘伝
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「正月」が続きます。胃腸にご注意!(2016.1投稿)

 もうすぐ春節、日本でいう旧正月ですね。今年は2月8日です。中国人にとって、この旧暦の正月は1年で最大の祝日です。

 しかし、私のように日中両国を行き来する人間がずいぶん増えて互いに影響を受けたのか、日本の正月も中国の旧正月も同様に祝う方が多くなったようにも感じます。

 お祝いですから皆さんは当然奮発してごちそうを召し上がります。胃腸の負担も少々増えるというわけ。

 上質の肉や魚満載の高価なおせち料理がテレビ等でよく話題になりますが、日本のおせち料理は本来、食材の選択もその組み合わせも、さらに食べる順にしても、胃腸に過度な負担をかけないようにするのが本来の姿と聞きます。人日の節句(1月7日)にいただく七草粥も胃腸の修復にはとてもよろしい古来の習慣ですね。

 ところで、1月15日は小正月でした。都市部では大正月(1月1日)と比べると大いに祝うという時ではありませんが、地方によっては正月の飾り物を燃やしたり、なまはげが来たり、かまくらを作ったり、農作物の収穫を占う行事があったりとなかなか盛んです。占いも兼ねて、小豆粥を食する風習も残っています。

 様々な行事も楽しいものですが、小豆粥をいただくというのもひとつの食の智恵だなと思います。おそらく中国から伝わった風習でしょうが、あずきは漢方では赤小豆(せきしょうず)といい、利水消腫、解毒排膿の効能が知られています。つまり、食積や運動不足などで滞った水(むくみの原因にもなります)を疎通させ、さらにデトックス効果も望めるというものです。

 あずきは、中国では(おそらく昔の日本でも)高価な薬が買えない場合、その粉末を水に溶き、できものに貼るなど外用薬としても使うほどでした。

 また、日本の家庭では正月にお赤飯やおはぎを作ることも多いと思いますが、あずきと共に用いるもち米もすぐれた食材です。
 胃腸虚弱、冷えなどの症として表われる気血両虚の改善に非常に効果的です。私も病気で弱った方に、小豆粥やお赤飯を少しずつ摂ることをよく勧めます。

 お互いに健康に「正月」を祝いたいものですね。

楊秀峰