宮廷21式呼吸健康法
生活習慣病・慢性病に効く 中国・清朝の秘伝
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天人相応(2015.4投稿)

 東京は初夏のような陽気に包まれています。先日、数年ぶりに「4月の雪」に見舞われたことが嘘のようです。

 もともと3月、4月は気候の変化が著しい時季で、このような時は心身ともに大きな影響を受けます。

 一般にも「気候病」がよく知られるようになり、代表格としてぜんそくやうつ病、メニエール病、高血圧などが挙げられますが、中国の養生法では、気象は古来から常に考慮すべき要素でありました。

 中国には「天人相応」の考え方があります。森羅万象を大宇宙として人間を小さな宇宙とする、人間を大自然の中のサブシステムととらえるというものです。当たり前のことなんですけれどね。

 現代人は、冷暖房完備の住環境の中で、体調の変化に対してはすぐに薬に頼るというような生活を続け、気候の変化への適応能力がどんどん弱くなっています。

 よく「春捂秋凍」と言われますが、これは春に暖かくなったからといってすぐに薄着をする、秋に涼しくなったからといって何枚も着込むようなことを戒める言葉です。あわてて脱いだり着たりでは身体の抵抗力も免疫力も低下するばかりでしょう。

 気功は、気象=大自然の気の象(すがた)を感じるアンテナの感度を良くし、あらゆる意味で心身のバランスを回復する訓練です。日頃、気功で(できれば食事にも気を付けながら)心身の平衡の維持を図り、環境の変化の度合を敏感に感じ取って適切に対応していくことが、養生の要諦のひとつではないでしょうか。

 時々見受けますが、スポーツジムのトレーニングのように気功の練習を行なって、まるで「気の筋肉やバリア」が短期間でつくかのように考え、果てには治療(らしきもの)まで始めてしまう方がいますが、百害あって一利なしでしょう。

 無欲恬淡として、毎日食事をして呼吸をするように続けることが気功訓練の王道ではないかと思います。

(龍)