教室の女性会員の一人が元気のない声で電話をかけてきました。ぎっくり腰に見舞われたとのこと。私も経験がありますから、そのつらさはわかります。
腰をかばいながらそろそろと教室にやってきた彼女に、私の最初の師匠である祖母譲りの荒療治(借式法)を施したところ、「あれ、痛くなくなった」とポカンとしています。
この方の場合は、荷物を抱えて帰宅の途についたところ、雨に濡れた道で滑って転び、また腰を痛めて教室に戻ってきたというおまけの話(苦笑!)がついているのですが、いずれにせよ、姿勢や動きの長年の癖の他、疲れの蓄積などで腰や首に異常が現れた場合、何らかの処置によって一時的によくなったとしても再発の恐れは常にはらんでいます。
そこで、ご自身による日常のケアが必要になります。医師等による治療だけでなく、自分で行なう改善策が肝要です。というよりも、運動や休息、食事や心の持ちよう等々、生活のあらゆる場面に気(気持ち)を行き届かせて良き人生をまっとうしたいものですね。
自ら行なうケアの方法としては、やはり気功が最適な方法のひとつでしょう。
前述の方の場合は、背骨を波のように動かし、前後屈の動きを含む「宮廷21式呼吸法」の動作「落式帰元」を勧めました(このホームページの「ガイド」)を参照してください)。練習のかいがあったのか、彼女の腰の違和感は消えたようです。
いろいろなところで再三言及していますが、「宮廷21式」の第1式、第2式も脊柱の生理的湾曲を整えるのに大変有効です。
今は、花粉症の最盛期ですが、頸椎の異常も症状の悪化につながると私は見ています。第2式に含まれる転頭の動作などは改善に役立ちます。
健康診断の数字だけを心身の状態の判断材料にするのではなく、気功などを通じてより主体的、積極的に生きていきましょう。
楊秀峰