「ロコモ」という言葉をずいぶん見たり聞いたりするようになりました。実は私にはあまりなじみのない言葉だったのでちょっと調べてみました。
正式な名称は「ロコモティブシンドローム」、骨・関節・筋肉などが衰え、「立つ」「歩く」といった移動機能が低下する運動器症候群のこととありました。
さらに「ロコモ」は、自立した生活が遅れなくなって要支援・介護になる原因のトップになっているそうです(平成25年厚生労働省調査)。脳血管疾患や認知症を抑えての第1位です。
「ロコモ」の進行を防ぐための訓練としては、片足立ちやスクワットが推奨されています。
その言葉こそ新しいものですが、加齢等による運動器の障害なら私になじみのないものではありません。幼少時を過ごした祖母の家にも、同様の問題を抱えた方が相談したり治療を受けたりするためにしょっちゅう来ていましたから。
そんなことを考えていたところ、教室のある女性会員が写真のような紙を見せてくれました。
私がお教えしている「宮廷21式呼吸法」で使われる歩型を練習するため、ご自分でプログラムを作って練習されているとのこと。実はこの女性は80代という高齢の方です。気功をご自分なりに消化して見事に生活に生かして下さっているとほんとにうれしくなりました。
歩型練習には、「ロコモ」改善のために勧められている片足立ち、スクワットはもちろん含まれますし、体のねじりで関節・靭帯をさらに強め、重心移動でバランス感覚を養うなどさまざまな要素が含まれています。
「ロコモ」対策の記事には、骨・関節・筋肉を強化する食事も挙げられますが、私が著書でご紹介している薬膳レシピもとても参考になるのではないかと思います。
世界各国の中でもトップクラスの長寿国である日本ですが、健康寿命(日常的に介護を必要とせずに自立した生活ができる期間。これも比較的新しい言葉ですね)をさらにのばして悔いのない人生が送れるよう、中国の養生法を先にご紹介した女性のように積極的に取り入れて下さい。
楊秀峰