宮廷21式呼吸健康法
生活習慣病・慢性病に効く 中国・清朝の秘伝
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秋の食べ物(2001.10投稿)

味覚の秋です。しかし、食欲のままに食べ物をおなかに詰め込むことが養生の大敵であることは言うまでもありません。  

中国医学の基本理論である陰陽五行説に基づくと、秋は「燥」を示します。体は、疲れがたまって元気が出ない状態となりがちです。たまった疲れや熱は体外に発散させなければいけません。

秋はまた、五臓六腑のうち「肺」を重視すべき季節でもあります。呼吸器系に疾患のある方は要注意です。

今回は、秋に食べるとよい食べ物をご紹介しましょう。

★クリ

秋の食べ物といえばクリを第一に挙げる方も多いでしょう。クリは肩こりや腰痛、関節や骨の痛みなどに効果があります。

中国医学では「気不通則痛、血不通則腫」といいますが、これは「気の流れが滞れば痛む、血の流れが滞れば腫れる」という意味です。クリは気と血の流れを良くしてくれます。

★クルミ

クルミは、形が脳に似ていることから健脳食とされ、脳や髪の毛に働きかけます。

妊娠6~7か月ごろ、胎児に髪の毛が生えてくる頃に食べると良いと言われます。血液の汚れを取り除き、血管を丈夫にする働きがあり、昔から老化防止の妙薬として知られる食べ物です。

★ナシ・カキ

ナシは呼吸器系にとても良い効果があります。咳止めなどの民間薬の材料として古くから使われています。

また、カキはビタミンCの宝庫で免疫力アップに役立ちます。ただし、両方とも体を冷やす食べ物で、カキは空腹時に食べると胆石の原因となることもありますので、1日1個ぐらいを目安にして下さい。

★ヤマイモ

ネバネバの成分が消化吸収を助けることはずいぶん知られてきました。ヤマイモを乾燥させたものは山薬と呼ばれ、漢方薬の代表的な薬材です。血液の循環を良くして冷え性や低血圧などに効果があります。

★ユリネ

イライラなどの精神不安定を抑える「安神」作用があるほか、肺と胃の働きを良くする作用もあります。

★キク

花の美しさをめでるだけでなく、健康のために十分活躍してもらいましょう。

キクは観賞用、食用、薬用と約3000種類もあります。薬効を求めるなら漢方薬を扱っている店で乾燥したものを求めましょう。

キクは目の疲れや充血、頭痛などの解消によく用いるほか、解毒作用が強いので肝や肺の弱い人にもおすすめできます。熱湯を注いで飲む菊花茶は秋に最適の飲み物です。  

その他、秋に食べると良い食べ物は、カボチャ、ショウガ、アズキ、ナツメ、黒ゴマ、蓮子(ハスの実)、アーモンドなどが挙げられます。最後に、秋用のレシピを2つほど。

★八宝粥

■材料(3人分)

 もち米100グラム、ギンナン10個、ハスの実10個、干しブドウ20~30粒、ヤマイモ20グラム、ナツメ10個、クルミ2個、砂糖大さじ2杯

■作り方

(1) もち米、ギンナン、ハスの実は洗って前の晩から水に漬けておきます。
(2) (1)を火にかけ、沸騰したら干しブドウ、ヤマイモ、ナツメを加えて30分ぐらい煮ます。
(3) 炒って砕いたクルミと砂糖をかけてから召しあがって下さい。

★八宝茶

■材料(1杯分)

ジャスミン茶大さじ1杯、干しブドウ3粒、クルミ4分の1、黒ゴマ小さじ2分の1杯、クコの実5個、ナツメ1個、蓮心(ハスの実の芯の部分)またはハスの実2個、氷砂糖1かけら

■作り方

材料を急須に入れて熱湯を注ぎ、3~5分待っていただきます。