夏の疲れが出る原因のひとつは、消化をつかさどる臓腑である脾と胃(現代風にわかりやすく言えば胃腸です)の衰えです。
エアコンや冷たいものの摂りすぎなどで、いわば活動のためのガソリンを作り出す働きが弱り、胃腸の不快感だけでなく全身のだるさやむくみなどとなって表われます。
よく明け方に起こるこむらがえりも脾の衰えに起因することが多いですね。
眠る前の簡単な脚マッサージで、胃腸の調整を図りましょう。快眠にもつながります。中国医学の代表的な古典である『黄帝内経』には、「胃不和則臥不安」、つまり、胃が穏やかでないと安眠ができないとの記述もあります。
実は脚には脾や胃につながる重要な経絡が通っています。下にご紹介するようなマッサージを試してみて下さい。消化吸収の働きの調整と安眠が一挙両得ですよ。
1 両脚を伸ばしあおむけに寝て、左膝を立ててから外側へ倒します。脾経のだいじなツボである「血海」が、膝のお皿の内側から指3本分上にあります。ここに右足のかかとを当てて上から押しもみます。
2 左膝下から足首にかけて、右足の土踏まずで上下に何回かさすってマッサージします。脾経を含む足の陰の経絡を刺激することになります。
3 右足の土踏まずで、左足の内くるぶしから指4本分上にある「三陰交」のツボを数回押します。三陰交のツボについては、次回改めてご紹介します。
4 右足裏の全体を使い、左足裏全体をさすります。
5 反対側の脚にも同様に行ないます。
楊秀峰