宮廷21式呼吸健康法
生活習慣病・慢性病に効く 中国・清朝の秘伝
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現代気功事始め(2014.12投稿)

 20~30年前の一大ブームを経て、日本ではどこのカルチャーセンター、スポーツクラブでも気功講座が設けられるようになっています。

 しかし、中国で長い歴史を持つこの伝統的な心身調整法が「気功」という名で総称されるようになったのは、それほど前のことではありません。

 気功の源は、道家・仏家・儒家の行法や修養法、医家の経験則、武家の鍛錬法などに求められ、無数と言っていいほどのメソッドが「導引」「吐納」「静功」「定功」他の様々な名称で伝えられていました。

 ちなみに教室の代表である楊秀峰が祖母から伝えられた宮廷21式呼吸法は道家と医家の流れをくむもので、後漢時代の名医であった華佗が作った五禽戯に源が求められると考えられています。

 中国では1949年の建国からほどなくして、国を富ませて強くするには強健な国民が必要と、政府の中で万人が取り組めるような鍛錬法を普及させようという動きが現れます。まだ国も貧しく、医療に携わるマンパワーも足りず医薬品も充分ではないため、自助努力を必要としたというやむを得ない事情もあったでしょう。

 そこで白羽の矢が立ったのが先述の伝統的な鍛錬法で、やがて歴史のある数々の訓練法は内養功以下の「気功」として、さらに清、中華民国の時代に幾多の名人を輩出した武術の名門である太極拳からはおなじみの24式簡化太極拳以下の制定太極拳が編さんされ、国内はもとより世界中に広まっていきます。

 現代気功の体系化の中心人物の一人が、昔からリゾート地として有名だった北戴河(河北省秦皇島市)にいた劉貴珍医師(故人)でした。劉先師は、自らの闘病経験もふまえ、伝統的な静座法などを取り組みやすい内養功、強壮功等にまとめ、50年代なかばから精力的に指導を始めました。同時期に北戴河と唐山(日本では70年代に大地震が起きたことで知られているでしょう)には気功療養院ができ、北戴河は現代気功のメッカのひとつとなったのです。

 当時、劉先師を中心とする研究グループにいた若手研究者の一人が、楊秀峰の著書にも推薦文を寄稿していただいた張天戈先生(元中国医学気功学会理事)です。張先生は現在は要職から退かれ、各国に指導に赴く一方で気功の文献・歴史研究を引き続き行なわれています。教室の会員が北戴河に張先生の指導を受けに行った時の写真をこのホームページにも数点のせています。

 張先生は太極内功という太極拳に由来する功法も伝えています。太極内功は、張先生の太極拳の師である李経梧先師(故人)がまとめたもので、李先師は太極拳各流派のうち陳氏、楊氏、呉氏、孫氏の拳を修め、現代を代表する太極拳家の一人であり、その流れは俗に北戴河太極拳と呼ばれています。世界中に普及した24式太極拳は、通説とは異なり、実は李先師が作ったものだと証言する著名武術家もいます。太極内功の本は、発表当時は内部発行されたもので中国でも一部の要人が閲覧できるだけのものでした。

 当教室では、教授体系の中心である宮廷21式呼吸法に加え、この太極内功の一部や他の功法もご指導しています。そろそろ年が改まります。心身も改める(革める)べく気功の名流に触れてみてはいかがでしょうか。 (龍)